キー溝の機械加工
BOS槽は、両側をローラーベアリングで支持されていますが、傾けるための駆動は、2つの駆動ユニットにピニオンを介して接続されたブルホイールにより、片側からのみ行われます。同システムには常にある程度のバックラッシュが存在しますが、キー溝が摩耗するとこのバックラッシュが過剰に大きくなります。Corus社は、摩耗した状態で使い続けると、キー溝の角から亀裂が伝播することを懸念していました。この問題を解決するために、メタロックエンジニアリングが呼ばれ、話し合いが行われました。機械の構造上、キー溝やキーの検査はアセンブリ全体を分解して行うしかありません。
次回の工場操業停止中のベアリング交換スケジュールのときまで、このままにしておくことにしました。この時点で、すべて解体したときに、メタロックのエンジニアチームはキー溝を加工してきれいにする作業を行いました。メタロックは、独自に設計した工具を用いて、トラニオン径1054mmに等間隔に配置された4つのキー溝から、各面と底面を1mmずつ加工していきました。キー溝は幅215mm、長さ686mm、深さ81mmでした。
フライス加工マシン
この工具は、容器側のシャフトに装着されるインナーリングとスペーサーレッグで構成されていました。シャフト径に位置する前板は、シャフトとスペーサーの脚にボルトで固定されていました。フロントプレートは、既存のキー溝の底に平行に切り込みを入れて設置します。フロントプレートを移動させると、インボードエンドのインナーリングも設置されます。フロントリングとインナーリングの4つの位置にそれぞれフライス盤を装填し、キー溝を加工します。3軸加工機により、キー溝をサイズ通りにカットし、シャフトやオリジナルのキー溝と同心円になるようにします。現場での機械加工は非常に正確で、工場でハブを加工するよりも優れていました。
メタロックのエンジニアが4日間のスケジュールで24時間体制で作業している間に、別の作業員が24トンのブルホイールハブの4つの嵌合キー溝をシャフトと同じように機械加工しましたので、ステップキーは必要なくなりました。
Corus社の広報担当者は、メタロックエンジニアリングが素晴らしい仕事をし、すべてがスムーズに進んだと述べています。現場でキー溝を再切削するのでなければ、新しいシャフトを取り付けるか、溶接で再生することになったと思いますが、いずれもメタロックが費やしたよりもはるかに長く時間がかかるものでした。すべての作業が終了すると、サポートとドライブシステムが再び組み立てられ、再運転が行われました。